このお盆休みで戦争関連の情報を見聞きしました。
日本人にとって、毎年この時期にそのような特別な時間を持つことは大切なことのように思います。
一冊の本をご紹介します。
小説なのでフィクションなのですが 、僕はノンフィクションとして読みました。
特攻隊にいた、ある男のお話です。
このひとりの男について、戦後60年たってから数人の知人がいろいろな解釈をもって、この男の「人となり」を語っています。
同じひとりの人間を語る時、10人の知人がいれば、全く違う10通りの人物像として語られることに改めて興味深く読みました。
一気に読みましたが、戦争、特に特攻隊をメインとした話にも関わらず、何故か読後感がいいのです。
そんな意味で、同ジャンルの中では稀有な存在なのかな?と思いました。
何故、戦後日本がこれほどまでに驚異的な復興を遂げたのか、この本の「行間」を読み解くことで分かる気がしました。
(あくまで気がしたにすぎません^^; 本当に理解することなどできないと思うから・・・)
東日本大震災後に起きた、日本人の行動の悪の部分と善の部分が同じように戦後にもあったのだろうと、人間の尊厳についても考えさせてくれる良書です。
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以前マーケティングを勉強している時に、ある葬儀屋さんのデータについて興味深い話を聞いたことがあります。
ある一人の人が亡くなったとき、その人の関係者の人数は生涯で最低でも200人いるそうです。
もちろん、寿命を全うした場合の人数だと思いますが、一人の人の人生には少なくとも200人を超える人たちが寄り添っていた・・・ということです。
寿命をまっとうした人と、戦争(特攻隊)で命を失った人との対比はできませんが、
戦争で命を落とした人たちの一人一人の背後にも、多くの悲しみと別れが同時に存在していたという事実を再認識した時に、あまりにも安易に人の命が扱われ、軽視されていたことにどうしても憤りを感じざるをえません。
人の命はなによりも尊いはずです。
特攻隊の予備軍から、実際に特攻隊員に選ばれた時、
選ばれた人も選ばれなかった人もお互い泣いたそうです。
この涙の真意を読み解くことは、とても辛いことですが、今の日本を生きる一人として向き合いたいと思いました。
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僕は、次の一節が特に心に残りました。
『目に入るすべてのものがいとおしかった。何もかもが美しいと思った。道ばたの草さえも限りなく美しいと思った。しゃがんで見ると、雑草が小さな白い花を咲かせているのが見えた。小指の先よりも小さな花だった。美しい、と心から思った。その花は生まれて初めて見る花だったが、この世で一番美しい花ではないだろうかと思った』・・・・・
↑ この一節は出撃を明日に控えた特攻隊員の言葉です。 ↓
『暑い日だった。しかし流れる汗さえ心地よいと思った。もう明日からは汗をかくことさえない』
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