ある駅で、一目で結婚式の帰りと分かる礼服姿の老夫婦が乗車してきた。
空いている席に座って、2人で「今日の〇〇ちゃんは可愛かったなぁ」と関西なまりで話していた。
おじいさんには何か心残りがありそうな雰囲気が漂っていた。
しばらくするとおじいさんはおもむろに立ち上がり、車内にいる乗客に向かってしゃべりだした。
『皆さん、ちょっと話を聞いてくれませんか。今日は姪の誕生日でした。小さい頃はやんち
ゃな子でね、でも今日はほんまにきれいやった。実は私らには子供がおまへんのや。
だからなおさら可愛くてねぇ・・・』
『実はその披露宴で、私、歌うことになっていたのに、挨拶やら祝辞が長くて、私の出
番がカットされましてねぇ。それで今日歌うはずだった歌をここで歌わせていただけな
いでしょうか』
乗客はシーンとしていた。
「では、反対の声もないようなので・・・・」
と言った後、『瀬戸の花嫁』を歌い出した。
みんな知らん顔していた。
歌い終わるとおじいさんは、「ありがとうございました。このご恩は一生忘れません」
とお礼を言った。それはもう満足そうな顔になっていた。
ふとおじいさんは電車の外を見て叫んだ。「ありゃ、歌に酔っていて降りる駅を通り過ご
してしもうたわ」
その瞬間、乗客の一人が吹き出した。続いて乗客が一斉に声を出して笑い出した。
「すんません。次の駅までもうちょっと時間があるので、もう1曲歌ってもいいですか?」
と言うと、車内の中は乗客の温かい拍手で沸いた。
『国境の町』という歌だった。
みんなが手拍子を始めた。車内はおじいさんの歌声と手拍子が響き渡った。
次の駅に着いた。
老夫婦が乗客のみんなに頭を下げて降りようとすると、みんなが拍手をして老夫婦を
送り出した。ホームに立ったおじいさんは、奥さんに言った。
「おい、皆さんのご多幸をお祈りして万歳三唱をするぞ」
2人は動き出した車両に向かって万歳を三唱した。
それから不思議なことが起きた。
それまで帰宅を急ぐ見ず知らずの人たちを乗せた沈黙の車両だったのに、まるでみん
なが友達のように、隣同士、さっきの老夫婦の話題で花が咲いたのだ。
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このおじいさんは、どうしても今日!この歌を歌っておきたかったのでしょう。
姪には届かなくても、気持ちをのせて歌った歌が乗客の心を揺さぶったのかもしれませんね^^
僕も聞いてみたかったです、このおじいさんの『瀬戸の花嫁』。
昨日もなかよし弁当をご利用いただきまして、ありがとうございました。
感謝しています。
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いや、姪にも届いていたはずです。
潜在意識には、時間も空間もありません。
強く思い描いた気持ちは、必ず時間も空間も越えて、宇宙までも^^届くのでした^^//
(やったね^^)
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